まだお月さんが残業してた午前中。
南港野鳥園にご御来園していた私。
鳥、撮りまくると、意気込んでた…あのころ。
三連休の初日。
錦織公園へ出向いて野鳥撮影に挑戦するも、なかなか上手くいかず。
リベンジの二日目。
またどこかの森林公園に向かい挑戦しようと思っていたが。
初日の山中プチ迷子で、ウロウロウロウロしまくった影響から疲労が残っていると判断。で、野鳥園というトコなれば、そうウロウロせずとも野鳥と沢山出会えるのではなかろうかと思い。この日は南港野鳥園へ行ってみることにした。
大阪にこんなトコがあるなんて、知らなかったのだ。
ちなみに、錦織公園の自然道を、帰りたい帰りたいと思いながらウロウロしていたとき、中年の男性がいて、私にこう言った。
「この階段をおりたら駐車場へ出ますかね?」
私はどういうわけだか。知らない人から、老若男女国籍問わず、よく道を尋ねられるのだ。
私は、そんなもんこっちが聞きたいわ!と思いつつも。ココは初めて来たとこなんでわからないと、ニコやかにやんわりと答えその場を後にした。
グッドラックである。
ということで、
南港野鳥園に到着。
ニュートラムのトレードセンター前駅を出て、並木道をずずず~っと歩いて行けばたどり着く。思ったより駅から離れていたが、野鳥のことを思えばその方が良いのだろう。知らんけど。
で、
入り口にたどり着いて思ったのが。
「寂れ方がひどく荒んでるなぁ」と。
もう少し整備、管理されているモノかと思っていたので衝撃をうけた。あまりの衝撃に、入り口を撮った写真が斜めになってしまっていた。ご愛敬である。
雑草なんてもんは、処理しても処理してもキリがないのは知っている。
でも、
もう少し何とかならないものかと。コレでは初めて来た人が、私のように幻滅し来たことを後悔してしまいかねないと思うのだ。でも、野鳥のことを思えば、自然な成り行きがいいのかもしれない。知らんけど。
南港野鳥園には展望台があるのだが。
私はとりあえず展望台へ行かずに、園内を歩いてみることにした。
さえずりの丘。
ココへ来るまでに木々に囲まれた道を歩いてくのだけど。誰もいないし、うす暗いし、妖怪がスッと姿を見せてもおかしくないような雰囲気である。
道を挟んで対照的に、はばたきの丘というトコもあるが、さえずりの丘同様、荒んでいる。そして出会った鳥と言えば、カラスとヒヨドリばかりであった。
このふたつの丘。
名前負けしている感が否めない気がしてならない。
私の、この強運の持ち主の私が、来るタイミングが悪かっただけなんだろうか?
名前負けしないように、気合入れまくってシッカリキッチリ管理するか。できないならば、名前をなくす方が良いように思う。
ヒヨドリは滅茶苦茶いるけれど。
なかなかどうして上手に撮ることができない。そんななか何とか撮れた。
丘を離れ、北観測所へつづく一本道を歩く。
ココに来るまでに見かけた人は、ひとりだけ。
そしてこの道で、二人連れとすれ違った。
途中、小鳥の姿を確認するも。カメラを構える間もなく飛んで行ってしまった。
見た感じでは、メジロのように思えた。野鳥に興味のない私でもすぐにわかるメジロ。私の好きな、かわいいメジロだ。
11月に大阪市内でメジロを見れるのか?とも思い、写真を撮れなかったのが非常に残念であった。
北観測所に着くと。
そこはかとなく廃墟のたたずまい。いたたまれない。写真すら撮る気にならないほどであった。
観測する窓から見えるのは、まず観測すべき海辺ではなく、手前に生えた雑草たちたち。雑草が邪魔で撮る気が失せてしまった。それにそこから確認出来た鳥は、近所の河川敷でお世話になっているサギばかり。
サギなんていつでも撮らせていただけるのに…。
そう思うと、早くここを立ち去りたい気持ちになったのだ。
本来なれば。ココにシッカリ腰を据えて。いつ来るかわからない貴重な野鳥を待つ戦法なのだろうけど。廃墟でくつろげるほどの神経を持ち合わせていない。私は案外、繊細だったりするのだ。
その後。
展望台へ向かってみる。
中に入ってみると、そこにはソコソコ人がいて。各々カメラを据えて陣取っていた。
雰囲気は、あまり使用されない寂れた公民館といった感じに思えた。
ど素人ですが失礼しますといった感じで、空いている窓辺の席へ。素人だからわからないけれど、良い場所はすでに陣取られているようであった。空いている席から見えたのは、北観測所が見えるトコであり。一応、北観測所で撮っておいたサギの姿が、先ほどよりも遠くに見えた。
私はすぐに席を立ち。
その場を後にした。
南観測所の方へは、立ち入り禁止になっていたので、もう行くトコがない。
もっと海辺の方に歩いて行けるのかと思っていたのだけれど、当てが外れてしまったのだ。
ガッカリしながら空を見上げると…。
まるでヒーローのようなオーラを放ちつつ、木のてっぺんに立っているアオサギを目にした。
きっとサギ界では、名の売れた歌舞伎役者に違いないであろう。
貫禄が半端ないのだ。コレは撮っとかねばならない。
サギは、私が撮り終えるまでジッとしてくれていた。って、サギはどのサギもあまり動かないのだけれど。
ありがとう。
こうして私は、南港野鳥園を出たのである。
惨敗なのだ。
ただ。
この時。
園を出て駅に向かう際にもカメラをバックにしまわずにいた。
撮り逃した小鳥。
メジロかと思われた小鳥を見かけたのは、駅に向かう並木道に面していたのだ。
そしてトボトボ歩いていると、さえずりが聞こえる。
見つけたこの後姿。
なんか凛々しい。
うん。
間違いない。
メジロである。
ココには数羽のメジロがいた。
カメラをしまわないで良かったのだ。
メジロが飛び交うのを目で追い。
たくさん撮らせていただいた。
そしたら。
メジロに交じってシジュウカラも数羽いたことに気が付いたのである。
しかもこのシジュウカラは、食事中なのか、その場に居続けているではないか。
チャンス!!
シジュウカラとは久しぶりの再会である。
おととしくらいまで、早朝に鳴き声が聞こえていたのだけれど。去年あたりからまったく聞こえなくなった。
お向かいの家のテレビアンテナでお見かけして以来なのだ。
もうええかと言っているようなシジュウカラ。
はい。
たくさんシッカリと撮らせていたのだ。
ありがとう。
この日。
嬉しく思うのであった。
おわり