明日香村でハーフマラソン大会をやっていた日。
イソヒヨドリを激写。
大勢の人が明日香村に集結していたのを他所に、
私はひとり、ハーフマラソン大会に巻き込まれないよう気を配りつつ、野鳥をもとめて明日香村を地を這うように移動していた。
嘘である。
野鳥に先に気付かれないように、ゆっくりジックリ歩いていたけれど、地を這うようには歩いていないのだ。
高松塚でいつもいるモズの姿は確認できたけれど、以前見かけたエナガには会えなかった。私はなかなかエナガに出会えないでいる。エナガに警戒されていて、私が見つけるよか先に見つけられ隠れられているのかもしれない。
鳴き声はするも、姿が見えない。
ガッカリしながら甘樫丘の方へ移動。
道では大会の関係者の方の姿が、一定の距離をとりつつ待機しているようであった。
どうやらハーフマラソン大会のコースになっているなと、勘が鋭い私は瞬時に理解した。時刻は8時半前。おそらくスタート時刻は9時だろう。ランナーがやってくる前に、甘樫丘へ避難しなければと急いで歩く。
大会の邪魔になっちゃいけないのだ。
それから、大会の写真を撮りに来ていると、勘違いされるのは避けねばならないのである。勘違いされて、コチラでどうぞなんて誘導されたら面倒なのだ。何の興味もない市民ランナーの写真など撮る気などないのである。
大会関係者の間をぬって移動していると、鳥がスーッと飛んできた。
そして飛んできた野鳥を確認してみると、イソヒヨドリのオスであった。
日本全国どこにでもいるらしいイソヒヨドリ。
ヒヨドリという名前を頂戴しているのに、ヒタキ科でツグミの仲間であるらしいイソヒヨドリ。
毎朝の通勤時に、いつも美しい声で鳴いている姿を見かけるイソヒヨドリ。
いつかいつの日にか、写真を撮りたいと思っていたのである。
何ならこの日の夜明け頃。駅に向かう途中でイソヒヨドリの姿をみつけ、撮ろうかと思ったけれど、電車の時間の都合上あきらめざるをえなかったのだ。
ようやくやって来たイソヒヨドリ撮影会。
天候はハーフマラソン日和のええ天気。
陽当たりは良好!
私はシャッター速度を1000分の1にまであげた。
するとイソヒヨドリに動きが!
なんだか今にも飛びそうである。
飛ぶ瞬間を撮りたい。
私はすぐにでもシャッターを押せるようにスタンバイ。
ん?
やめた?
私は息を止めて今か今かとその瞬間を待っていたので、ココでいったん呼吸する。
こっちを見てるのか?
私はここまでに、もう飛ぶぞ!さぁ飛ぶぞ!と思って、何度もフライングでシャッターを押してしまっていた。イソヒヨドリに遊ばれているのかもしれない。
イソヒヨドリが遠くを見つめたと思った次の瞬間!
飛び立つ!イソヒヨドリ!
ようやくこのような写真が撮れたのだ。
イソヒヨドリよ。
本当にありがとう。
ま、
わざわざ遠出しなくても、近場で撮れるのだろうけれど…。
おわり